第41話   竿のウラ継          平成27年06月30日 

 苦竹の34年子の竹は、大抵穂先が冬の季節風で凍りついて枯れてしまっているものが多い。そこで竹の採取の時期に竿竹と一緒に、穂先用に竹の短く細い竹を数多く採取して置くのが、竿造りの常識となっている。竹の太さや節間の長さ、竹の堅さ、継いだ後の調子等々、確認していかなければならない。それらを十分に合致するような竹を探さねばならない。その為竿の穂先にするウラを探す為、かなりの数のウラを用意しなければならない。名人クラスになると、気に入ったウラが無くて10年も20年もかかったという逸話がザラに残っているほどなのだ。






 自分の気に入ったウラを探しあてると次の工程に入る。穂先、ウラの二本の合わせ目部分を確認し、斜めに切り落とす。丸く削った芯竹を竹と竹の間に差し込んで膠、漆などで接着する。この上に真綿を薄く巻いてその上に漆を塗りしっかりと固定する。自分は漆の代わりに100円ショップで売っているゼリー状の強力接着剤で代用している。接着剤が完全に乾いてから、その上に黒か茶色の化粧漆で塗り固める。










 中通し竿の穂先の継の場合は、少し長く斜めに切りる。竹に竹芯が使えないので上下の竹の穴と穴をきっちりと合わせ、竹に真綿を薄く延ばして丁寧に何度かに分けて巻いて行く。巻きは厚くなってしまっては、みっともないので気を付たい。自分の場合は真綿の代わりに細い絹のミシン糸を巻き付けその上に薄く真綿を巻いて、さらにその上に茶色か黒もしくは自分の気に入る漆の色を作り、化粧漆として薄く数度に分けて塗る。